輸血拒否患者(宗教上の理由等で輸血を拒否する場合も含む)への対応について
当院では、輸血拒否患者さんに対し、「相対的無輸血」(*1)の方針にもとづき、以下のごとく対応します。
- 無輸血治療のために最善の努力を尽くしますが、輸血および血液製剤により生命の危険が回避できる可能性あると判断した場合には、救命を優先して輸血を行います。同意が得られない場合でも輸血を行います。
- 宗教上の理由等で提示される“免責証明書”等、「絶対的無輸血」(*2)治療に同意する文書は、受理・署名いたしません。
- 輸血以外に救命の手段がないと判断される緊急時(救急搬送や入院中の病状急変時など)には、同意が得られなくても救命のための手術・輸血療法を実施します。
- 以上の方針は、患者さんの意識の有無・成年・未成年の別にかかわらず適用します。
- 自己決定が可能な患者さん、保護者または代理人に対しては、当院の方針を十分に説明し、理解を得る努力をしますが、どうしても「相対的無輸血」に対して同意が得られず、治療に時間的余裕がある場合には、他の医療機関での治療をお勧めします。
*1「相対的無輸血」とは
患者さんの意思を尊重して、可能な限り無輸血治療の努力をするが、“輸血以外に救命手段がない”事態に至った時は輸血をするという立場、考え方。
*2「絶対的無輸血」とは
患者さんの意思を尊重し、たとえいかなる事態になっても輸血をしないという立場、考え方。
2024.9.作成